漢詩作りの沼
先日の神奈川の漢詩吟行会では、吟行はなく漢詩散策だったので… kanshi.hatenablog.com 漢詩のリアルな吟行会に参加したいなと思っていたら、東京で開催されるとのお知らせをいただき。 亀戸天神社で行われた漢詩吟行会に参加してきました。 亀戸天神社:亀…
今週末に、横浜で全国漢詩大会が開催されますね。 2024年10月26日(土) 13時半~はまぎんホールにて。 (桜木町駅からすぐですね) 入場無料で、来場者に特製ファイル配布とは太っ腹です。 「蘇州」をテーマの記念講演や、神奈川をテーマに詠った漢詩の詩吟…
おととい(10月17日)は満月でスーパームーンでしたね。 家の周りの金木製(桂花)が一気に咲きだして、歩いているといいにおいがしますね。 ひとつ前に、空海や阿倍仲麻呂のことに思いをはせましたが… kanshi.hatenablog.com 長安滞在わずか2年ほどで免許皆…
なんだかバタバタしているうちに、3月も終わりですね。 散歩にいい季節になってきました。 さて、少し前に「港」をテーマとした漢詩のオンライン吟行会に参加しました。 海辺育ちの身として、港は身近なテーマですが、漢詩でとなると難しいなとなかなか答え…
お正月に空海ゆかりの「青龍寺」にお詣りに行ってきました。 kanshi.hatenablog.com NHKの『空旅中国 空海 長安へ』にも出てきた青龍寺。 空海はここで漢詩を残していました。 「青龍寺留別義操闍梨」 空海 同法同門喜遇深 同法同門 遇ふを喜ぶこと深し 空随…
六本木の「泉屋博古館」で行われていた「楽しい隠遁生活―文人たちのマインドフルネス」展の終了間際に行ってきました~ 都会のオアシスのような博物館。 陶淵明や竹林の七賢人、そして鴨長明や芭蕉まで、隠遁の安らぎと自由を求めた中国の士大夫や日本の文人…
いつも漢詩作りでお世話になっている中国の漢詩サイト「捜韻」。http://www.sou-yun.cn サイト以外に、中国版LINEのような「微信」WeChatで公式アカウントがあり、フォローしていると、捜韻独自の作詩教室のお知らせなどが流れてきます。 今日は、「藍皓月先…
今年の冬に初めてオンライン吟行会に参加し、そういう世界があるのかと。 今回は2回目なので、少し様子が分かった状態での参加です。 吟行会のお題は「横浜夏景」 かなり範囲の広いお題ですよね。 お題を聞いて、漢詩に「赤い靴」(紅靴)か「氷川丸」でしっ…
茶道の七事式の中に「唱和の式」という、みんなで花を生け、香を聞き、歌を詠むという花月があります。 参加する五人が一人ずつ花を生け、最後に全員が自分が生けた花をテーマに歌を詠むというもの。 中国では夏のこの時期茶花を集めるもの一苦労ですが、い…
世界的にコロナは落ち着いてきましたが、 ウクライナ侵攻はなかなか終わりが見えませんね。 同じ世界から戦争がなくなることを願いつつ。 去年、ある動画を見て作った漢詩があります。 見たのは、この動画。 www.youtube.com 2022年3月 ウクライナ南部ヘルソ…
一応、推敲まで終えた下記の漢詩を仕上げてみようと思います。 気になるところはまだありますが、解決策も見いだせないので。 「梅天閑詠」 庭中苔緑雨如煙 独座詩思自寂然 屋漏蝸涎偶成句 無聊酒尽枕書眠 まず、日本の漢詩ルールでは、漢詩本文の漢字は「旧…
昨日、なんとか平仄や韻のルールにのっとった漢詩がなんとなく出来上がりました。 と思ったら、一詩の中に漢字の重複使用は意図的な場合以外避けるべきなのに、「無」の字が重複していました。 「梅天閑詠」 庭中苔緑雨如煙 屋漏無聊自寂然 酌酒思詩蝸試篆 …
なかなか梅雨が明けないまま、暑い日が続きますね。 お題にそった漢詩作りの練習ということで、「梅天閑詠」をテーマに作ってみます。 梅雨の日ののんびりした様子を詠む、ですね。 漢詩作りは、読みたい気持ちや情景を元に、詩語をパズルのように組み合わせ…
漢詩作りで基本ルールは「平声」(平らな音)の同じグループで踏む、 ですが、仄声で韻を踏む「仄韻詩」もあるようで。 中国のサイトでの説明を見ると… 千篇 漢語詞典より zèyùnshī仄韵诗仄声で韻を踏む旧体詩。 古体詩では平仄どちらでも韻を踏み、仄韻詩が…
南宋時代の発音で分類した「平水韻」により、すべての漢字は「平」と「仄」の発音の漢字に分かれています。それが現代中国語に変遷していく中で発音が踏襲されているところもありながら、入声がなくなるなど変わったところもあります。 現代の中国語(標準語…
「平仄の四声」と「現代中国語・ピンインの四声」 漢詩の入門で、漢字には四声があり、それが平と仄に分かれると聞くと、現代中国語学習者はまず間違いなく、四声ってあのピンインの最初で習う「māmámǎmà」のアレでしょ、と思うに違うない。実際、私もそう思…
漢詩の基本ルールを整理しておきます。 色々ありますよね。 【漢詩の形式】 一句の字数が五字のものは五言詩、七字のものは七言詩。 七言の場合は、上四・下三で切れる 五言の場合は、上二・下三で切れる 全体が四句のものは絶句、八句のものは律詩。 十句以…
さて、漢字を○(平声)と●(仄声)の白黒でわける平仄のルールを確認しましたが、先人たちの詩は本当にこのルールに基づいて作られているのか。 例にあげた杜甫の「絶句」で見てみたいと思います。 「絶句」杜甫 江○碧●鳥●愈△白● 江は碧にして鳥は愈よ白く …
さて、すべての漢字は宋代の発音に基づき4つのグループ「四声」に分類されていると韻①で書きました。 四声(現代中国語の「四声」とは異なる概念なので、混乱しやすく要注意) 〇平声(ひょうしょう) ・・・平らかな発音(三十種類) ●上声(じょうしょう) ・…
韻は、漢字106のグループのうち、平声30グループの中から、1つのグループを選んで同じグループの漢字で踏む、という基本ルールを踏まえたうえで、さてどこに踏むのか。 「絶句」杜甫 江碧鳥愈白 江は碧にして鳥は愈よ白く 山青花欲然 山は青くして花は燃えん…
韻を踏む話の続きです。 すべての漢字を106のグループに分類した中で、 平声に属する30グループの中から、同じグループ内の漢字で韻を踏むのが原則。 (この平声は、現代中国語の第一声とは異なり、宋代の発音を元にして分類されたものです) 平声の30グルー…
漢詩のルールといえば、やはり「韻」ですよね。 句末を同じ音でそろえることを、漢詩世界では「押韻」(おういん)というそうです。 (すべての句末ではなく、決まった句の最後だけ) 教科書で習った杜甫の「絶句」で見てみると… 「絶句」杜甫 江碧鳥愈白 江…
さあ、漢詩を作ってみようと思った時に、まずはその形式から。 俳句なら5・7・5、短歌なら5・7・5・7・7ですが、 漢詩は… 5文字を基本とするのを五言詩、 7文字を基本とするものを七言詩と呼んでいます。 5文字×4句(20文字)が五言絶句 5文字×…
中国に縁があって暮らすようになって、気がつけばかなりの年数が経ち。 中国語も普段の生活には困らない程度にはできるようになりました。 それでも、書きはいつまでも小学生の作文にもかなわず。 (漢字圏で読みはいけるし、長く暮らしていればしゃべりもヒ…