漢詩の基本ルールを整理しておきます。
色々ありますよね。
【漢詩の形式】
一句の字数が五字のものは五言詩、七字のものは七言詩。
七言の場合は、上四・下三で切れる
五言の場合は、上二・下三で切れる
全体が四句のものは絶句、八句のものは律詩。
十句以上で規則に則るものは排律。古詩は句数不定だが、基本は偶数。
■絶句では、起承転結で四句が展開するのが基本。
■律詩では…三・四句と五・六句に対句の規則が適用される。
■古詩について…平仄の配置は問わない。
押韻は近体詩と同じく偶数句で。
通韻OK。(異なった韻字グループでも似た音のグループであれば押韻していると認める)
【押韻の規則】
「韻を踏む」・・・ 同じ発音で揃えるという意味で認識しているが、
実は漢詩の世界でいう「韻」は現代中国語の発音ではない。
発音は宋代、それも南宋の劉淵(りゅうえん)の分類「平水韻」が基準となっている。
すべての漢字を百六種類の韻に分類。その百六種類の韻を、その発音から四つに分類。
四声
〇平声(ひょうしょう) ・・・平らかな発音(三十種類)
⇒同じグループの漢字で韻を踏む
●上声(じょうしょう) ・・・尻上がりな発音(二十九種類
●去声(きょしょう) ・・・尻下がりな発音(三十種類)
●入声(にっしょう) ・・・語尾がつまる発音(十七種類)
⇒仄声(上声+去声+入声)
「一韻到底」(いちいんとうてい)
同じ韻を最初から最後まで貫く規則。
韻はどこに踏む? 基本は偶数句で踏むのが通例
■七言絶句:一・二・四句の末尾で韻を踏む (一句に踏まない、踏む落としという形もあり)
■五言絶句:二・四句の末尾で韻を踏む (これが正格。一句目も踏むものを「変格」)
■韻を踏まない句(三句目と韻踏まない一句目)は、末尾に必ず「仄声●」の語を置く。
平仄の基本ルール:二四不同、二六対
■二四不同・・・二字目と四字目の平仄を違える
■二六対 ・・・ 二字目と六字目の平仄を同じにする
■一三五不論・・・一句の中の一字目、三字目、五字目の平仄はなんでもいい
禁忌の規則
■下三連・・・ 下の三字の平仄を〇〇○、●●●のように揃えてはいけない
■孤平(こひょう)不許・・・五言では二字目、七言では四字目の平声が単独になることを禁じる規則
ただし、他の位置においても平仄関係なく孤独になることは好まれない。
■同字の禁・・・ 同じ漢字を複数使わない
ただし、悠悠・耿耿のような重ね字や一句中に対句としてあるものは例外とされている。
このあたりが頭に入れば、あとは実践あるのみ!
ルールの勉強で大変お世話になったのは、石川忠久先生のこの本。
漢詩作りのバイブルです。
漢詩を実際に作ってみる
石川忠久先生のオススメは、まず「七言絶句」で練習。
それから「五言律詩」↑「七言律詩」で練習を積むといい。
また、作詩のためには、韻書と漢和辞典が必要とおっしゃてます。