漢詩作りのための雑記

漢詩は読むのも作るのも深い沼

中国の茶室で「梨花一枝春」の掛け軸

なんだかバタバタしているうちに、春ですね。 上海でもここ数日ふわふわと柳絮(りゅうじょ・柳の綿)が飛んでいます。 北京では5月くらいかなと思うので、少し早いですね。 さて、忙中閑ありで、上海のお茶室へ。 かかっていた掛け軸は「梨花一枝春」。 小…

清明節の新茶

中国では清明節(4月4日)の3連休です。 清明節はお墓参りの時期ですが、もうひとつ新茶の季節でもあります。 日本では立春から数えた八十八日と言われますが、中国では清明節前に摘む今年最初の新茶を特別に「明前茶」と呼んで、重宝しています。 やわらか…

CCTVが生成AIで作った漢詩アニメ『千秋詩頌』を見てみた

生成AIモデル「Sora」が発表になってすぐに、中国の生成AI技術を使って中央テレビが漢詩アニメシリーズを作るとニュースになっていましたね。 kanshi.hatenablog.co すでに放送が始まり、CCTVの公式動画サイトでも見られるようになっていました。 ↓日本から…

港をテーマのオンライン漢詩吟行会

なんだかバタバタしているうちに、3月も終わりですね。 散歩にいい季節になってきました。 さて、少し前に「港」をテーマとした漢詩のオンライン吟行会に参加しました。 海辺育ちの身として、港は身近なテーマですが、漢詩でとなると難しいなとなかなか答え…

今日は元宵節だったので、湯圓を。

今日(2024年2月24日)は、元宵節でしたね。 春節の初日から数えて、15日目。 ここを過ぎると、春節も終わったなと感じます。 一家団欒の日で、「湯圓」(タンユエン)と呼ばれる白玉団子を食べます。 白玉団子は、中に具が入っていて、ゆでて食べることが多…

CCTVが生成AIを使い、漢詩200首あまりをアニメ化!

今月、アメリカのOpenAIが、文章から1分間の動画を作成できる新しい生成AIモデル「Sora(ソラ)」を発表して世界的に話題になっていますが、中国も遅れず新技術を華々しく発表です。何事も中国は対応が早いなあと。 昨日(2月23日)の記者発表で、「中国初の…

漢詩の中の春節にまつわるフレーズ:蘇軾「守歳」

漢詩関連の情報を発信している「古文島」という微信のアカウントをフォローしています。 そこから、春節に使える漢詩フレーズいろいろが送られてきました。 中国では年賀状の習慣はすっかりすたれ、スマホで新年メッセージを送るのがほとんどですが、ちょっ…

2024CCTV『春節晩会』の西安会場に李白が登場!

春節快楽!! 今日(2024年2月10日)は春節ですね。龍の1年の始まりです。 中国では大晦日に中央テレビ(CCTV)で紅白歌合戦のような『春節晩会』という番組が放送されています。 以前は視聴率90%以上という時代もありましたが、ここ数年はネットでの配信も…

3つ重ねた漢字が実はいろいろある話

「小紅書」で最近よく拝見している「巻毛国学小課堂」さんのイラスト記事。 kanshi.hatenablog.com 昨日の更新を見ていたら、同じ漢字を3つ重ねて1つの漢字というパターンが、実はいろいろあるなと。 日本でよく使うのは「晶」くらいでしょうか? 中国では…

小中学生対象の「楹联」(対聯)募集

毎年、漢詩と詞の大会を開く「浙江詩詞大会」のアカウントをフォローしているのですが、春節を前に、春節テーマの「楹联」の公募が発表になりました。 (今年の春節は2月10日、まもなくです) 「楹联」って何かなと思って調べたら、「対聯」のことですね。 …

漢詩の中に描かれた動物や植物が象徴する意味

中国にいるとVPNを通さないと、FBもXもインスタも見れないので、中国のSNSツールを見ていることが多いのですが、最近上海で一番人気なのは「小紅書」(RED)ですね。 (10代だとTikTokの中国版「抖音」かもですが、20代後半以降は小紅書がダントツという印象…

捜韻の白酒を、詩師や詩友と飲んだ夜

kanshi.hatenablog.com いつも漢詩の検索でお世話になっている「捜韻」から白酒が出た!ということで買ってみましたが、なかなか飲む機会がなく。 先日、やっと詩師や詩友のみなさんと飲む機会があり。 まさに白酒!でした。飲みすぎ注意です。 痛飲し、これ…

寒山時の臘八粥と、臘八節の漢詩

寒山寺で、臘八節(今年は1月18日)に臘八粥のふるまいがあると書きましたが、どんな様子だったか、寒山寺の公式WeChatアカウントの更新を見てみました。 (当日は寒山寺だけでなく、上海でも玉仏寺などでもふるまいがあったそうです) kanshi.hatenablog.co…

奥多摩に「寒山寺」が! 日本酒が香る大人のテーマパーク

今日2024年1月18日は、「臘八節」ですね。 蘇州の寒山寺の記事を書きましたが… kanshi.hatenablog.com 東京にも寒山寺がありました! 青梅線に乗って「沢井」駅へ。 駅の看板にお酒のマークがついている、日本酒の里。 奥が「青梅街道」、手前が「吉野街道」…

まもなく「臘八節」:蘇州・寒山寺でふるまいの「臘八粥」

まもなく、臘八節(ろうはちせつ)です。 中国語では、腊八节[Làbā Jié] 中国で陰暦臘月八日(12月8日)に五穀豊穣を祝い、まもなく春節を迎える準備をする日。 仏教では、釈迦牟尼が苦しい断食の修業中にスジャーターという女性が食べさせてくれた粥で元気…

漢詩初め:空海にあやかって新年の漢詩を作ってみました

お正月に空海ゆかりの「青龍寺」にお詣りに行ってきました。 kanshi.hatenablog.com NHKの『空旅中国 空海 長安へ』にも出てきた青龍寺。 空海はここで漢詩を残していました。 「青龍寺留別義操闍梨」 空海 同法同門喜遇深 同法同門 遇ふを喜ぶこと深し 空随…

西安紀行:空海にゆかりの「青龍寺」に行ってきました

師匠・恵果のもとで空海(弘法大師)が真言密教を習得した「青龍寺」に行ってきました! お寺も重厚な建物ですが、実はこれは近年に再建されたものだとのこと。 青龍寺の創建は、隋の開皇2年(582年)。 その後、唐中期には、恵果らの密教僧らが住持するよう…

龍年快楽!!

今年もどうぞよろしくお願いします。

『空旅中国 空海 長安へ』が1月2日お昼に放送 そして私は西安で年越し

空旅中国の李白、よかったですね。 同じチームが今度は空海をテーマに空旅だそうです。 お正月のお昼に放送、楽しみです。 『空旅中国 空海 長安へ』 1月2日(火)午前11時51分〜午後1時20分 NHK BS(101ch)にて放送 空旅中国 - NHK 平安初期、究極の真理を…

冬至を過ぎて… 冬至の漢詩

年末が近づいてきました。 少し前(12月22日)が冬至でしたね。 中国では、冬至は今でも大切な暦の日として意識されています。 ー冬至の日は「餃子」を食べる ー冬至は鬼節とも言われ、鬼が出るから夜遅く出歩かず、早く家に帰るように 等 あとは家の近所で…

『第23回 蘭亭書法交流 東京展』に上海の友人が出展

上海で書道を学んでいる友人が、東京の展示会に出展したと。 その友人も私も上海にいて見に行けなかったのですが、日本にいる人が写真を撮って送ってくれました。 『第23回 蘭亭書法交流 東京展』 会期:2023年12月13日(水)~12月20日(水)会場:東京都美術館…

いつもお世話になってる「捜韻」の一部サービスが有料になるかもと

いつも漢詩作りでお世話になってる中国の漢詩ポータルサイト「捜韻」(搜韵 https://www.sou-yun.cn)ですが、微信ウェイシンの公式アカウントからのメッセージで、お知らせ兼アンケートがきました。 「2002年2月のサイト立ち上げから、運営14年間で、収録詩は…

上海で香付花月をした時のこと :秋

師走ですね。 なんだかバタバタとゆっくり漢詩が作れていませんが、 先日上海で茶道のお稽古で「香月花月」をした時のこと。 5人で茶席でお香を聞き、(お香3種類のうち、名前を隠して聞いて、最後に香銘を読み上げ)、香銘を聞いた後にそこからイメージする…

漢詩の中の中国:高い台に登りがち

『詩詞里的中国』という本を買いました。 漢詩における詩・詞の中にある中国という解説書。 本のカバーには… 「人生のあらゆる経験、境遇、姿、道理はすべて唐詩の中に隠されている」 魯迅曰く「すべての素晴らしい詩は、唐にはすでに作り終わっている」 目…

キンモクセイだと思っていたら、欒(モクゲンジ)だった件

9月の初め頃、上海の家の前で咲いていた黄色い花。 ちょっと時期が早いけれど、なんだかいい匂いがするし、金木犀(中国語で桂花)かなあと思っていました。 でも、9月下旬になってもっと低木の金木犀が咲きだして、あれ種類が違ったのかなと、ちょっと気に…

待乳山聖天の漢詩おみくじ

浅草に行ったときに、少し足を延ばして「待乳山聖天」に行ってきました。 あちこちに大根が。 「大根は身体を丈夫にしていただき、良縁を成就し、夫婦仲良く末永く一家の和合を御加護頂ける功徳を表しています」だそうで。 そして、ひいたおみくじが一番の大…

漢詩ポータルサイト「捜韻」特製の白酒が販売に!

いつも漢詩調べでお世話になってる中国の漢詩ポータルサイト「捜韻」ですが、 なんと、オリジナルの白酒(バイジュウ)が発売とのこと! 捜韻:www.sou-yun.cn 貴州の「茅台」産ですね! 醤香型ってどんなのでしょう。気になります~ アルコール度53%と、火…

楽しい隠遁生活展を見て、隠遁詩作り

六本木の「泉屋博古館」で行われていた「楽しい隠遁生活―文人たちのマインドフルネス」展の終了間際に行ってきました~ 都会のオアシスのような博物館。 陶淵明や竹林の七賢人、そして鴨長明や芭蕉まで、隠遁の安らぎと自由を求めた中国の士大夫や日本の文人…

桂花(キンモクセイ)には金と銀があるんです

上海では今年は中秋節前に金木犀が満開でしたが、関東は2週間ほど遅れて今頃が満開のようです。 庭の金木犀が一気に満開になり、いい匂いがしています。 気がつけば秋ですね。 ところで、日本の金木犀(中国語で「桂花」)の色は黄色いのに、上海周辺で見る…

月見漢詩を作る前に、秋が終わってしまいそう

中秋節を過ぎたら、急に涼しいですね。 中秋の月と桂花(キンモクセイ)で一詩作ろうと思っているうちに、季節はめぐり… 先日、茶室にうかがった時に、玉兎の掛け軸がかかってました。 これが今年のお月見の最後かもしれません。 「玉兔豈棲於蟾影」(ぎょく…