漢詩作りのための雑記

漢詩は読むのも作るのも深い沼

韻は「仄声」でも踏むこともある ~仄韻詩~

漢詩作りで基本ルールは「平声」(平らな音)の同じグループで踏む、

ですが、仄声で韻を踏む「仄韻詩」もあるようで。

 

中国のサイトでの説明を見ると…

千篇 漢語詞典より

 

zèyùnshī
仄韵诗

仄声で韻を踏む旧体詩。

古体詩では平仄どちらでも韻を踏み、仄韻詩が比較的多い。

近体詩では仄韻を使う人は少ない。

※近体詩とは、南斉に始まり、唐代で成熟した一句の字数や一首の句数,韻の踏み方など、形式面において厳格な規則が定められている詩のこと。

 

 

仄声で押韻している「仄韻詩」の有名な作品と言えば…

「春曉」孟浩然

   春眠不覺曉 春眠 暁を覚おぼえず

   處處聞啼鳥    処処 啼鳥を聞きく

   夜來風雨聲    夜来 風雨の声

   花落知多少    花落つること知んぬ多少ぞ

 

【押韻】韻を踏んでいるのは仄声。

上声 ・十七篠韻:曉、鳥、少

 

 

仄声で踏む時のルールのメモ

 

仄韻詩・七言絶句

(一)平起式 (1句目に韻を踏む)

 平平仄仄平平仄(韻)

 仄仄平平平仄仄(韻)

 仄仄平平仄仄平

 平平仄仄平平仄(韻)

 

(二)仄起式 (1句目に韻を踏まない)

 平平仄仄仄平平,

 仄仄平平平仄仄(韻)

 仄仄平平仄仄平

 平平仄仄平平仄(韻)

 

(三)仄起式 (1句目に韻を踏む)

 仄仄平平平仄仄(韻)

 平平仄仄平平仄(韻)

 平平仄仄仄平平

 仄仄平平平仄仄(韻)

 

(四)仄起式 (1句目に韻を踏まない) 

 仄仄平平仄仄平

 平平仄仄平平仄(韻)

 平平仄仄仄平平

 仄仄平平平仄仄(韻)

 

参考サイト:酔月詩苑