漢詩作りのための雑記

漢詩は読むのも作るのも深い沼

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「平仄の四声」と「現代中国語・ピンインの四声」

「平仄の四声」と「現代中国語・ピンインの四声」 漢詩の入門で、漢字には四声があり、それが平と仄に分かれると聞くと、現代中国語学習者はまず間違いなく、四声ってあのピンインの最初で習う「māmámǎmà」のアレでしょ、と思うに違うない。実際、私もそう思…

漢詩作り:ルールの整理

漢詩の基本ルールを整理しておきます。 色々ありますよね。 【漢詩の形式】 一句の字数が五字のものは五言詩、七字のものは七言詩。 七言の場合は、上四・下三で切れる 五言の場合は、上二・下三で切れる 全体が四句のものは絶句、八句のものは律詩。 十句以…

漢詩作り:平仄の検証

さて、漢字を○(平声)と●(仄声)の白黒でわける平仄のルールを確認しましたが、先人たちの詩は本当にこのルールに基づいて作られているのか。 例にあげた杜甫の「絶句」で見てみたいと思います。 「絶句」杜甫 江○碧●鳥●愈△白● 江は碧にして鳥は愈よ白く …

漢詩作り:白黒で分ける「平仄」ルール

さて、すべての漢字は宋代の発音に基づき4つのグループ「四声」に分類されていると韻①で書きました。 四声(現代中国語の「四声」とは異なる概念なので、混乱しやすく要注意) 〇平声(ひょうしょう) ・・・平らかな発音(三十種類) ●上声(じょうしょう) ・…

漢詩作り:まずは「韻」③ 韻はどこに踏むのか?

韻は、漢字106のグループのうち、平声30グループの中から、1つのグループを選んで同じグループの漢字で踏む、という基本ルールを踏まえたうえで、さてどこに踏むのか。 「絶句」杜甫 江碧鳥愈白 江は碧にして鳥は愈よ白く 山青花欲然 山は青くして花は燃えん…

漢詩作り:まずは「韻」を踏む②

韻を踏む話の続きです。 すべての漢字を106のグループに分類した中で、 平声に属する30グループの中から、同じグループ内の漢字で韻を踏むのが原則。 (この平声は、現代中国語の第一声とは異なり、宋代の発音を元にして分類されたものです) 平声の30グルー…

漢詩作り:まずは「韻」を踏む①

漢詩のルールといえば、やはり「韻」ですよね。 句末を同じ音でそろえることを、漢詩世界では「押韻」(おういん)というそうです。 (すべての句末ではなく、決まった句の最後だけ) 教科書で習った杜甫の「絶句」で見てみると… 「絶句」杜甫 江碧鳥愈白 江…

漢詩の形式~漢詩を作るなら七言絶句から~

さあ、漢詩を作ってみようと思った時に、まずはその形式から。 俳句なら5・7・5、短歌なら5・7・5・7・7ですが、 漢詩は… 5文字を基本とするのを五言詩、 7文字を基本とするものを七言詩と呼んでいます。 5文字×4句(20文字)が五言絶句 5文字×…

漢詩は作れる…らしい

中国に縁があって暮らすようになって、気がつけばかなりの年数が経ち。 中国語も普段の生活には困らない程度にはできるようになりました。 それでも、書きはいつまでも小学生の作文にもかなわず。 (漢字圏で読みはいけるし、長く暮らしていればしゃべりもヒ…