南宋時代の発音で分類した「平水韻」により、すべての漢字は「平」と「仄」の発音の漢字に分かれています。それが現代中国語に変遷していく中で発音が踏襲されているところもありながら、入声がなくなるなど変わったところもあります。
現代の中国語(標準語)の発音からは、平仄の全てを判断することはできません。
中国のネット検索エンジン「百度」を見ていると、現代中国人も漢字の平仄を知りたいと思うことはあるようで、簡単に平仄を調べられるサイトもあります。
漢詩作りに役立つ中国のサイト:
「律诗校验」のボタンから詩の平仄チェックできます。日本の漢字でも可能。
□詩詞吾愛 https://www.52shici.com/
「格律」のボタンから詩の平仄チェックできます。日本の漢字には対応が弱い。
他にも、中国の方言の音声特徴を生かせば(地域によっては昔の発音が方言に残っているので)平仄のあたりがつけやすいという裏技を書いているひともちらほら。
例えば、南方の方言には、かなり入声が残っているのだそう。
(客家語、閩南語、潮州語、吴語、湖南語など)
それにしても、今の中国の人が「平仄を調べたい」と思うのはどんな時なのでしょうか?
いくつか見ているところでは…
□昔ながらのルールに基づく「詩」を作るため
日本で言う「漢詩」作りをしている人たちですね。ある一定数いるよう。
高校三年生用のサイトでも平仄ルールの解説を見ました。
□「対聯」を書く時
門や玄関に対句が貼っているのを中国ではよく目にします。特に春節の時。
対聯には魔除けと願いをかなえる意味があるのだとか。
□「吟誦」(ぎんしょう)する時
吟誦とは、詩歌などに抑揚をつけて歌うこと。日本の詩吟に近いのかな。
この時は朗読とは違い、昔の発音の平仄に基づいて発音するのだそう。
□姓名判断、名前占い
日本でも戒名をつけるときには平仄を気にすることがあるようですね
というのが主なところのよう。
他にも平仄を必要とする時があったら教えてください。
写真は、向かいの家の「対聯」。
平仄は合ってるかな?