昨日、なんとか平仄や韻のルールにのっとった漢詩がなんとなく出来上がりました。
と思ったら、一詩の中に漢字の重複使用は意図的な場合以外避けるべきなのに、「無」の字が重複していました。
「梅天閑詠」
庭中苔緑雨如煙
屋漏無聊自寂然
酌酒思詩蝸試篆
無人来訪枕書眠
さらに、転句の酒を飲んでる自分と、壁の蝸牛の様子が主語が異なって一句に入っているのが分かりにくいかなと。
そこで、承句と転句を入れ替えて調整してみます。
「梅天閑詠」
庭中苔緑雨如煙
酌酒思詩自寂然
屋漏壁上蝸試篆
無人来訪枕書眠
内容的にはこのほうがすっきりしそうですが、
これだと「上」の字が平声で、平仄が合いません。
「梅天閑詠」
庭中苔緑雨如煙
独座詩思自寂然
屋漏蝸涎篆墙壁
無聊酒尽枕書眠
転句は北宋の詩のフレーズから調整。ただ、「篆墙壁」だと平仄はさみの「拗救」。
承句と結句も流れを変えてみる。
承句で使っていた無聊を結句にもっていき、そして酒はやはり最後かなと。
承句の「思詩」は「詩思」での使用例もあり、「詩思」のほうがすわりがよさそう。
捜韻だと「思」は仄声と出てエラー表示になりますが、漢和辞典で両韻あり、思考をめぐらすときは平声と確認。
もう少し転句を調整。蝸涎に詩味を出せるかどうか。
「梅天閑詠」
庭中苔緑雨如煙
独座詩思自寂然
屋漏蝸涎偶成句
無聊酒尽枕書眠
「偶成句」は、白楽天の使っていたフレーズ。
雨の降る日に、一人座って詩を考えるけど、
雨漏りする家では壁を這う蝸牛がたまたま詩句を作ってる
つまんないし酒もなくなったから、書を枕にして寝よう
みたいな感じの詩のつもりです。
ここでもう一度寝かせてみようと思います。
雨の上海の写真で一休み。梅天閑詠です。