久しぶりに武漢に行く機会があり、これはぜひ黄鶴楼に上らねばと!
黄鶴楼を眺めたことはあっても、上ったことがありませんでした。
黄鶴楼の入場料:一般65元
8:30のオープンに合わせて、9時頃には着いたのですが、もう人が増え始めていて。
しばらくすると、修学旅行などの団体も続々と到着!
もう武漢のコロナのことはみんな忘れているようで、マスクをしているのはごくごく少数派でしたね。
動画↓
黄鶴楼にのっぼったよ。全体の雰囲気はこんな感じ - YouTube
「黄鶴楼」(崔顥)
修学旅行生たちが、「黄鶴楼」(崔顥)の漢詩を暗唱していました!
「黄鶴楼」崔顥
昔人已乗黄鶴去 昔人已に黄鶴に乗りて去り
此地空餘黄鶴楼 此地空しく餘す黄鶴楼
黄鶴一去不復返 黄鶴一たび去りて復た返らず
白雲千載空悠悠 白雲千載空しく悠悠
晴川歴歴漢陽樹 晴川歴歴たり漢陽の樹
芳艸萋萋鸚鵡洲 芳艸萋萋たり鸚鵡洲
日暮郷関何處是 日暮郷関何れの處か是なる
煙波江上使人愁 煙波江上人をして愁へしむ
この詩のレリーフもありました。
この詩に詠われているように、黄鶴楼の名前に「鶴」が入っているのは、ある伝説から。
ある酒屋の店主が、酒を飲ませてほしいという貧しい身なりの仙人に、半年も嫌な顔せず酒を与え続けていた。ある日、仙人が店の壁にみかんの皮で黄色い鶴を描いたところ、鶴が客の歌に合わせて踊り出したことから、店は話題となり大繁盛。店主は巨万の富を築き、ここに楼閣を建てたのだという。
この入口でもらった無料の案内図が、実はいろいろ説明が丁寧でお世話になりました。
そしてここでも、李白が鶴の上に乗っていますね。
黄鶴楼にのぼってみる
ドドーンと、黄鶴楼。
立派な建物ですが、これは近年再築されたもの。
先代の黄鶴楼は清の同治7年(1868年)に再建され光緒10年(1884年)に焼失した。その後100年間再建されなかったが、この清同治楼を参考にして1985年6月に再建されたものが現在の黄鶴楼である。現在の黄鶴楼は高さは約51.4m、八角形の最上層の長辺は18mである。(ウィキペディアより)
手前の鶴は、「黄鶴帰来」の像。亀と蛇の上に乗っています。
入口に掛かっている扁額は「気呑雲夢」
孟浩然の 「氣呑雲夢澤、波撼岳陽城」からだと。
※調べてみたら、日本だと「氣蒸雲夢澤」と紹介されていることが多いようですね。
のぼったら…
長江が見えました!
長江のほとりに建っているイメージだったのですが、思ったより距離がある感じ。
長江の対岸まで見えます。
そして、長江にかかる橋には、車だけでなく、鉄道の線路まで通ってるんですね。
黄鶴楼のすぐ横を鉄道が走っています。
長江以外の方向は、住宅地やビルが広がり。都会です。
動画だと↓
黄鶴楼の中はこんな感じ
壁画にはやはりお酒を飲む李白。
あちこちに書画がかかっています。作品をながめながら、5階までひたすらのぼります。
三国時代に建てられた黄鶴楼は、物見やぐらのような形から、唐代には宴会場のような立派な建物になり、さらに、宋代・元代・明代・清代には異なる建物が建てられていたとのこと。
模型は清代のもの↓ 現代の建物とはだいぶ違いますね
あと、DIYうちわ30元が売ってましたが、おねえさんが適当にスマホの写真を見ながら真似して書いているやっつけ仕事感。
修学旅行生が買っていましたが…
とにかく階段を上る
入口は入ったところで、エレベーターがあり、これは楽ができるのかと思ったら、動いてない様子…
しかたなくみんなグルグル上ります。
一番上までのぼったら、エレベーターが動いてました。
なんと下り専用になっているという…
エレベーターは並んでいたので、結局帰りも階段をぐるぐる
黄鶴楼の建物の周りには…
鐘を撞くのは有料。そしてみんな鐘の下にお金を投げ入れています。
↓「勝像宝塔」 1343年に作られた白塔
↓清代に建てられた黄鶴楼の上にのっていたという「古銅頂」
中国南宋の武将・岳飛像。中国の英雄です。この地域で活躍。
北宋の書道家・米芾が石を拝む像
古碑廊
回廊に古い碑がたくさん展示されていたのですが、小高くなっている東屋は…
毛沢東の石碑が飾られた亭。
毛沢東は結構漢詩を作ってたんですよね。
漢詩を作り書をたしなんでいたことは、実は文化への深い憧れがあったのだろうなと思う反面、それが権威付けにもなっていたのでしょうね。
歴代色々な黄鶴楼の詩碑。
それぞれの字に味わいがあります。
お土産いろいろ 漢詩みくじ
ショップのグッズがいろいろ充実していましたが、目を引いたのが↓
「詩詞如願」…願い事をするしおりとあります。1セット2元。
おみくじみたいな感じですね。
ひとつ引いてみました。
「大吉」!
「今朝有酒今朝醉、明日愁來明日愁」
なんだか私にぴったりの詩が出てきました…
唐の詩人・羅隠の七言絶句の一節ですね。
今日飲めば、明日はいいことあるかな。
こんな黄鶴楼ぬいぐるみもいました… 表情が微妙
地下鉄駅すぐの赤壁の前が、黄鶴楼の遠景を撮影する写真スポットになっていました。
百聞は一見に如かず。
のぼってみていろいろ発見のあった黄鶴楼でした。