観世音菩薩の成道の日(旧暦の6月19日)に、
日本茶道の源流とも言われる臨済宗の禅寺「径山寺」(きんざんじ)に行ってきました。
径山寺がなぜ日本茶道の源流と呼ばれるかというと…↓
正式名称は、径山興聖萬壽禅寺。
お寺の中の展示コーナーには、径山寺の歴史紹介がされていて、あちこちに径山寺やお茶にまつわる詩詞も紹介されていました。
「飲茶歌」㿠然
一口飲むと昏(くら)い床で思いがすっきりし
二口飲むと目が覚めて塵の上に雨が飛ぶようで
三口飲むとつらい悩みが消えてなくなる
…という感じでしょうか。
お茶関連の展示で。
「一酌の水松風を聴く」
「五濁の世の中を無垢に染めるなら
すべからく慈眼で衆生を視るべし」
虚堂智愚(1185年~1269年)、径山寺の第40代の住持
大徳寺を開山した南浦紹明(なんぽじょうみょう、1235年~1309年2月9日)の師に当たります。
南浦紹明:
鎌倉時代の臨済宗の僧。現在の静岡県静岡市葵区井宮町にあたる駿河国安倍郡安西井宮村の出身。道号は南浦。勅諡号は円通大応国師。
1259年(正元元年)宋に渡って、虚堂智愚の法を継いだ。
こちらも径山寺の住持。
代々詩を作られるようで。詩に個性が出ますね。
せっかく径山寺に来たので、漢詩で詠んでみたいなと思いつつ。
お寺を散策しながらいろいろなアイディア探し。
お寺の中に「蘇軾」(北宋の詩人・1036年1月8日~1101年8月24日)の詩が紹介されていました。
捜韻で調べてみると、蘇軾は径山の詩をたくさん残しているんですね。
10首確認できました。
詩を年代で追っていくと、生涯を通じて径山をなんども訪れ、径山寺の僧侶とも交流があったことが分かります。
これは捜韻で確認すると、タイトル「再遊径山」(1073年)
そしてもう1首。
蘇軾辞世の詩は径山寺の長老にあてたものでした。(1101年7月26日)
「答径山琳長老」 径山の琳長老に答ふ
與君皆丙子 君と皆丙子
各已三萬日 各々すでに三萬日
一日一千偈 一日一千偈
電往那容詰 電往 那ぞ詰るべけんや
大患縁有身 大患は身あるに縁る
無身則無疾 身なければ則ち疾なし
平生笑羅什 平生 羅什を笑ふ
神咒真浪出 神咒 真に浪りに出づ
お寺の周りには、茶畑が広がっています。
径山茶(緑茶)の今年の新茶は既に収穫済み。
禅堂
径山寺
住所:浙江省杭州市余杭区径山鎮
杭州市内から車で約1時間