漢詩作りのための雑記

漢詩は読むのも作るのも深い沼

桂花(キンモクセイ)には金と銀があるんです

上海では今年は中秋節前に金木犀が満開でしたが、関東は2週間ほど遅れて今頃が満開のようです。

庭の金木犀が一気に満開になり、いい匂いがしています。

気がつけば秋ですね。

 

ところで、日本の金木犀(中国語で「桂花」)の色は黄色いのに、上海周辺で見るのは白っぽいなあと思ってたんです。

それを中国人の友人と話したら、日本は「金桂」だけど、上海周辺は「銀桂」だよ!と。

金銀の違いがあったんですね。

 

こちらが神奈川の金木犀。(いわゆる金桂のよう)

 

こっちは、上海で見かけた金木犀。(こちらは銀桂なんですね)

 

さてさて、漢詩でよく詠われている「金木犀」

捜韻で検索してみると、「桂花」で1709件ヒットします。

(詩のタイトルや、同じ詩の中での重複あり)

捜韻:www.sou-yun.cn

 

そして、「金桂」はどうかなあと思うと、71件ありました。

「黄金桂」という使用例もありますね。

ただ宋代までの使用例は2例のみで、多くは元・明代の例でした。比較的新しく定着した言葉の感覚のようです。

 

「銀桂」はさらに使用例が少なく、5件のみ。それも全て清代以降でした。

昔は、金や銀の区別なく、全て「桂花」だったようですね。

 

上海の金木犀の様子↓ 9月末

youtube.com

 

神奈川の金木犀の様子↓10月半ば

youtube.com