9月の初め頃、上海の家の前で咲いていた黄色い花。
ちょっと時期が早いけれど、なんだかいい匂いがするし、金木犀(中国語で桂花)かなあと思っていました。
でも、9月下旬になってもっと低木の金木犀が咲きだして、あれ種類が違ったのかなと、ちょっと気になっていました。
そして、花が終わった後に、10月終わりに実がつきました。
この実を見て、この木が金木犀ではなく、モクゲンジ(木欒子)だったことが判明!
モクゲンジ(木欒子)…
中国原産といわれるムクロジ科モクゲンジ属の落葉高木。日本には割と古くから渡来していた。
栴檀葉の菩提樹(センダンバノボダイジュ)とも呼ばれ、種子を数珠にすると言われているために寺院に植えられていることも多い樹木。
そういえば、地面に落ちていた花も金木犀とは違いました。
なぜ「ムクロゲンジ」というのか?
名前の由来・・・ムクロジの中国名「木患子」を誤ってモクゲンジにあてたため、その日本語読み「モクゲンジ」になったと言われている。また、木の葉の様子がセンダンという植物の葉に似ていることから、「センダン葉の菩提樹」とも呼ばれている。
樹木シリーズ174 モクゲンジ | あきた森づくり活動サポートセンター
ゼンダンとは、「栴檀(ゼンダン)は双葉より芳しい」のあれですね。
葉っぱは似ているけれど、これとも違うと。
植物の名前って難しいですね。
さて、中国語でこのモクゲンジは、「欒」(簡体字は栾)luán
漢詩で詠まれているかなあと、いつも頼りの「捜韻」をチェック。
結果として、花としての欒は見つからず。
そして気がついたのが、「団欒」としての用例。
モクゲンジの欒は、団欒の漢字だったんですね。
そして、もうひとつ用例が多かったのが「檀欒」。
竹の美しさを形容する言葉なのだとか。
「斤竹岭」 王維(盛唐) 五言絶句
檀欒映空曲 檀欒として空曲に映じ
青翠漾漣漪 青翠漣漪に漾う
暗入商山路 暗く商山の路を入り
樵人不可知 樵人も知るべからず
漢詩で「欒」を詠んでみたいけれど、難しそうだなあ。
実の様子を動画でどうぞ↓