古詩十九首 其十
迢迢牽牛星 皎皎河漢女
纎纎擢素手 札札弄機杼
終日不成章 泣涕零如雨
河漢清且淺 相去復幾許
盈盈一水間 脈脈不得語
『文選』巻二十九、雑詩の中に作者不詳で収録されている古詩
牽牛、織姫の伝説に託した恋の詩ですね。
重音の表現がリズムを作りだしていています。
迢迢(ちょうちょう)…遥かに遠い
皎皎(こいこう)…白く光り輝く
纎纎(せんせん)…しなやかに細い
札札(さつさつ)…サッサッと機を織る音
盈盈(えいえい)…水のみちるさま
脈脈(みゃくみゃく/ばくばく)…じっと見つめあう
「河漢」(hé hàn/かかん)は天の川のこと
天の川は遠い空にあるところから》漠然として取り留めもない言葉の意味としても使われることもあるそう。
七夕の今夜は、牽牛と織姫が再会する河漢を見上げてみたいと思います。
写真は、『一日一首古詩詞・夏』より